まずは、新会社法が施行される理由は何でしょう。
◆形式の現代化が急務であった◆
1世紀以上前にいまの商法はつくられました。
条文を読むとカタカナ文語体表記されていて意味不明です。
「これ、何時代の文章だよ」って感じです。
要するに、現代人にとってはかなり読みずらい内容になっています。
一度、図書館に行って実物を見ると分かりますが、まるで暗号です。
ひょっとして、わざと分かりにくくしているのではと勘ぐりたくなります。
そこで分かりやすいよう、カタカナ文語体をひらがな口語体に変更したり、理解しやすくするための用語の整理や、解釈の明確化を図るべく整備文言を改めて、今にマッチするよう新会社法が生まれたのです。
◆時代に合わせて内容の現代化◆
日本経済の成長が停滞しているのを横目に、国際化が加速して、企業のあり方や価値観が日に日に変わりつつある現代。
100年前とは、あきらかに異なる時代の変化に対応できるよう内容が変更されました。
起業のハードルを低くして、M&Aがしやすくなることを軸に内容を現代にマッチさせました。
さらにはLLC・LLP、会計参与が新設されました。
内容を見ると、2006年以降の日本経済が、再び栄華を取り戻すためにはなくてはならない法律を目指したことでしょう。
◆LLC・LLPが新たに登場しました◆
LLC・LLPについてについては、やや難解です。
LLCは有限責任会社、LLPは有限責任事業組合のことをいいます。
それぞれ共同事業向きの専門家集団(出資者と執行者が分離していない集団)のことです。
LLCは会社、LLPは団体のこと。
つまりLLPは会社ではありませんから、法人税は1円もかかりません。
企業同士の共同事業、ネットビジネスやソフト制作といった専門家集団による事業にとって、LLPはうってつけの組織といえます。
ただ、会社組織であるLLCほど信用は高くないため、資金調達などの面ではマイナスなことが多いことはひていできませんが。
◆会計参与を新たに設置し簡素化をはかる◆
会計参与については、税理士、公認会計士のみがなれる資格。
決算書など、信頼性が重視される財務データを取締役と共同で作成するのが主な職務です。
今までとは違い、取締役(経営者)だけが決算書を作成するわけではないので、粉飾などの違法行為を防止するにはかなり効果的です。
有限会社がなくなった“オール株式会社時代”において、会社の実情を把握するには資本金額と決算書を見るのが1番てっとり早い方法です。
会計参与制度が必要になった理由としては、有名企業の粉飾問題が新聞紙面を飾る昨今、会計の専門家が作る決算書の重要性は高まりつつあるからです。
ですが、実際問題として中小企業ではコストなどの問題で、第三者の公認会計士や監査法人によって、決算書をチェックしてもらうのは難しいのが現状でした。
そこで中小企業でも、財務に関しての専門家を会社機関の1つの歯車として位置づけ、負担をかけ過ぎることなく、決算書の信頼性を高めるという目的で
、会計参与がつくられたわけです。
なお、この制度の設置有無は自由です。